頭大仏殿 真駒内滝野霊園
〒005-0862 北海道札幌市南区滝野2

爽やかな秋風が吹く9月、私が所属する異業種交流会「スモールサン」の全国大会が札幌市で開催されました。この機会を活かし、少し早めに現地入りして、かねてより訪れたかった「真駒内滝野霊園」内にある「頭大仏殿(あたまだいぶつでん)」へと足を運びました。
元々この地には、1997年に建立された大仏が鎮座していましたが、開園30周年記念事業として、世界的建築家である安藤忠雄氏の設計により劇的な変貌を遂げました。2016年に竣工した新施設は、「あえて大仏を隠す」という大胆な建築手法を採用。その斬新な演出は国内外で大きな話題となり、今や世界中から参拝客が訪れる聖地となっています。
新千歳空港からレンタカーを走らせること約1時間。目の前に現れたのは、札幌ドーム約32個分、180万平方メートルという想像を絶する広大な霊園でした。あまりの広さに目的の「頭大仏」を求めて案内板を頼りに進むものの、なかなか辿り着けず少々焦りました。スマートフォンのナビを頼りにようやく駐車場へ到着すると、丘の向こうに大仏様の「頭」だけがひょっこりと覗いており、その不思議な光景に胸が高鳴ります。

大仏殿の正面へ向かうと、そこには計算し尽くされた「期待感の演出」が待っていました。まっすぐに伸びたアプローチの先には、行く手を遮る水庭が現れます。参拝者は水庭を迂回して進むことを余儀なくされますが、これは日常を払い、心を整える「結界」の役割を果たしているのでしょう。
水庭を越え、コンクリート打ち放しの薄暗い回廊(アプローチ)を進みますが、まだご尊顔を拝むことはできません。視界を遮り、光と影のコントラストを強調する設計に、期待感は最高潮に達します。そして、階段の手前5メートルほどでようやく見上げた先に、青空を背負い、柔らかな光に包まれた大仏様が姿を現しました。ドーム状に切り取られた天井からは陽光が降り注ぎ、静寂の中に神々しい空気が満ちていました。
大仏殿の一角には、アジア諸国をはじめ多言語で書かれた「メッセージ献灯」や絵馬が並んでおり、信仰が国境を越えて広がっていることを実感します。今回は初秋の訪問でしたが、7月にはドーム周囲が紫色のラベンダーで埋め尽くされるそうです。また、園内には巨大なモアイ像やストーンヘンジのレプリカも並び、その壮観な景色はまるで世界の文化が凝縮されたかのようでした。
日常を忘れ、札幌の地で得たこの深い感動は、これからの活動への大きな糧となる貴重な体験となりました。

