浄土真宗本願寺派
勝興寺 〒933-0112 富山県高岡市伏木古国府17番1号
2022年のお盆休み、久しぶりに妻の実家がある富山に行きましたので、高岡市伏木にある勝興寺様へお参りに行ってきました。
勝興寺は1998年(平成10年)から国の補助を受け、23年という長期に(わた)る修復を終え、2021年(令和3年)の4月19日に竣工されました。
雨模様の中、無料駐車場に車を止め、拝観料大人500円を払い総門から入ります。案内によると総門は国宝・重要文化財の中では最大級で京都の興正寺より移築されたものだそうです。
総門を入ると大きな亜鉛合板葺きの本堂が正面に見えます。本堂は金箔の美しさが際立ちますが、それ以上に両側にそびえ立つデカローソクが目に入ります。ローソクの高さは約1.8mあるそうですが白木の台に載っているのでより高くそびえ、報恩講の際には実際に火が灯されるそうです。外陣中央に吊られている四角灯籠も大きく、豪壮な県民性の現れかもしれませんね。
扁額(へんがく)には「殊勝誓願興行教(しゅしょうせいがんこうぎょうきょうじ))」と書かれています。以前は土山坊といわれていましたが、永正14年(1517年)寺号を本山に申請したところ、佐渡にあって廃絶していた順徳上皇勅願(じゅんとくじょうこうちょくがんじょ))「殊勝請願 興行寺」を再興相続して、勝興寺と称することを認められ、その由来が扁額になったそうです。
次に向かったのは本堂右手にある大広間や式台です。大広間や書院、台所など多くの部屋があり、蒔(まきえ)が施された駕(かご))や洛中屏風(らくちゅうびょうぶず))など豪華な丁度品は、往時の権威を感じるものです。
勝興寺には七不思議と呼ばれる逸話があり、少し紹介します。
一、実ならずの銀杏
境内の銀杏の木。なんでも、昔、子供たちが銀杏の実を取ろうとして、木から落ちたり実の取り合いになったのを見兼ねて、住職がお経を唱えたところ、翌年から実をつけなくなったそうです。
二、天から降った石
この石は200年ほど前、近くの国分浜へ落ちてきたといわれ、石を叩くとカンカンと金属音がします。
三、水の涸(か)れない池
境内にある池。火災の折、池にいる龍が水を吹き放って火を消したといわれています。 それ以来、この池はどのような大干ばつの時でも龍が雨を呼び、水が涸れることはないといわれています。
四、屋根を支える猿
本堂北東隅の外側柱の上端にある彫刻で本堂を支えていると言われています。現在では猿ではなく邪鬼といわれています。
五、魔除けの柱
本堂南側の余間にあります。本堂はケヤキで作られていますが、この柱1本だけは、材質の異なる桜でしかも逆柱として使用されています。
六、雲龍の(すずり))
別名「墨(すみ)が涸れない硯」。 本願寺八世蓮如上人の愛用の硯で、上人が使われる時だけ自然と水が出たと伝えられています。
七、三葉の松
葉を3枚つける珍しい松の木。今ではなかなか見つからず、見つけると極楽往生できるとか。和歌山県・高野山の奥の院にやはり3枚葉の松があります。在来種では珍しいそうです。
妻の親戚の方によると、地元の学校が郊外学習に勝興寺を訪れ、七不思議の説明を受けることもあるそうです。一般の方には七不思議を含めて参拝されるとより興味をもたれるかもしれませんね。