親鸞聖人ご旧跡めぐり/香華堂報237号[2021,06/01発行]

きらら坂~比叡山 京都市左京区一乗寺竹ノ内町23(きらら坂碑)

ゴールデンウイーク前に緊急事態宣言が出て、密にならず香華堂報の取材先の候補はないかと考えておりましたら、そうだ「きらら坂」にはまだであることを思い出し、どうせなら比叡山まで登ってしまおうということで行ってきました。

ご存知のように「きらら坂」は親鸞聖人が比叡山と京都を結ぶ最短ルートの登山道としてよく使われた道として有名です。法然聖人や日蓮聖人、道元禅師などの高僧もよく通られたそうです。特に親鸞聖人が六角堂へ100日間参籠されたことを思うとその凄さを感じざるをえません。

きらら坂の登山口までは京都市内から車で30分、電車では1時間ほどかかります。修学院離宮の南側の音羽川を上流に目指せば、きらら坂の登山口に辿り着きます。修学院離宮を右に折れ、修学院離宮内ののどかな田園風景をみながら音羽川沿いを上流に目指します。音羽川は水がきれいで歩いていても清々しいです。

10分ほどで雲母坂(きらら坂)と雲母橋について書かれた駒札に辿り着きます。

そこから橋を渡り右に行くと正面に「親鸞聖人 きらら坂」の石碑があり裏には「昭和三十三年七月建之 石川県金沢市一味同行」と刻まれていましたので、金沢の真宗有志の方々が建立されたようです。

 いよいよ登山口に着きました。入口は2018年の台風21号の影響でしょうか、正規のルートは塞がれ、右の細いルートに進みました。軍手をはめていったのですが、いきなりそれが必要で木々や岩を持ちながらよじ登りながら進んでいきました。

 自信のない方はスキーで使用するストック(正式名トレッキングポール)を持って行くといいかもしれません。日頃の運動不足で、自分も段差のある登山はきつかったです。途中平坦な道もありましたが、多くは足を上げないと進んで行けませんので、ある程度の覚悟が必要です。途中京都市内が見渡せる場所が2ヶ所あり、この景色を見ると心が晴ればれしますね。そこで水分補給やお菓子をつまみながら休憩しました。

  根性なしですが、帰りはロープウェイとケーブルカーを乗り継いで下山しようと思っておりましたので、ロープウェイのロープが見えた時はホットしました。ロープウェイの降り口からケーブルカーの乗り場へ向かう際に3枚100円で「かわらけ」投げもあり、谷に向かって投げるのも爽快でした。

 登りは約2時間、下りはロープウェイ、ケーブルカー、それぞれ3分9分とあっという間にケーブル八瀬駅に到着しました。結構きつい登山でしたが、親鸞聖人を初めとするいにしえの方々の偉大さを感じる訪問でした。