私のお寺めぐり/香華堂報235号[2021/02/01発行]

瑠璃光院 単立(浄土真宗系) 京都府京都市左京区上高野東山55

メディアで紅葉の観光地ランキング上位にくる京都の北、八瀬に位置する瑠璃光院に行ってきました。例年、長蛇の列というニュースを聞いて諦めていたのですが、2020年からは予約制になり、たまたま妻が公式サイトを見ていて11月下旬の休日が空いていたようで、予約時間の11時に合わせて行きました。周辺に駐車場がないので出町柳駅に車を止めて叡山電鉄に乗って向かいました。たまに地元の観光電車に乗るのもいいものです。出町柳駅から目的地の八瀬比叡山口駅までは10分程で到着し、そこから瑠璃光院までは徒歩5分ほどです。10分ほど前に着いたのですが、瑠璃光院の道はさんで向かい側の空き地にテントがあり、検温、消毒し時間が来るのを待っています。入口は古式ゆかしき趣のある瓦屋根の玄関で、その向こうには紅葉が少し見ることができます。

順番が来て階段を上り門をくぐると母屋までの階段も結構ありました。しかしながら、お庭や紅葉が最盛期を迎えていますので、途中で写真を撮ったり木々を眺めたりする方も多くすでに楽しみながら上って行けました。そして、いよいよ母屋の玄関に到着しました。靴を袋に入れ二階に上がります。よく床に紅葉が写った写真が有名ですが、実際は黒い机でした。その机に映り込んだ写真を撮ろうと多くの人が殺到し、自分の番が来るのを待っていました。今回ご紹介した写真はその中でもベストな一枚です。実際の紅葉と映り込んだ紅葉が上にも下にもあるので、全体的に広がりがあり美しいです。逆さ富士ならぬ逆さ紅葉ですね。

また二階では入口で渡された用紙で写経することもできます。一階からも同じように庭が見られますがこちらはより庭に近く畳が敷いてあるので座ってゆっくり見ることができます。その一階の床の間には鳩摩羅什(くまらじゅう)の掛軸が掛かっていました。鳩摩羅什は仏説阿弥陀経や般若心経を訳した僧で、こちらの住職は生誕1600年を記念し2015年にその足跡をたどるため、インドや中国に渡られたようです。また、こちらは岐阜の光明寺の東本願寺系の支院であることからお東の荘厳がしてある部屋もありました。

なかなか予約を取るのが難しいですが、近くに紅葉の名所の蓮華寺も数分圏内ですし、少し高級ですがエクシブ京都八瀬離宮は会員でなくても予約すれば利用可能なので機会があれば一見の価値ありです。