岩戸山 京都市下京区新町通高辻上ル岩戸山町
当店が所在している中野之町は、祇園祭の岩戸山がある岩戸山町の寄町(よりちょう)といい協力町内となっています。祇園祭の巡行は2014年から本来の前祭(さきまつり)り後祭(あとまつり)に別れましたが、岩戸山は前祭(さきまつり)の17日に巡行し順番は「しんがり」船鉾の前の「くじ取らず」22番目です。
昨年までは「ちまき」を販売したり、「朱印」の受付をしたりしていましたが、今年はそれに加えて7月14日になって、「お供」での巡行参加の依頼がきました。繁忙期でもあるので、参加を躊躇していましたが、当店のスタッフの後押しもあって参加することにしました。しかしながら、そこからが大変でした。時代劇遠山の金さんでお馴染みの裃(かみしも)は貸していただけるのですが、白着物、肌襦袢・裾よけ、草履、などはこちらで用意しなければなりません。肌襦袢・裾よけは近くの呉服屋さんに買いに行き、草履は当店のものを使用することにしたのですが、白着物は当店で扱っている寺院用白衣で代用しました。昨年まで巡行に参加している方にお見せしたらオッケーでしたが、家紋を入れるように言われました。ところが、紋入の職人さんはどこも土曜日で休んでおりましたので、印刷してアイロン掛けで入れられる用紙を買い、家紋を入れることにしました。
巡行前日は動画サイトで着付けの動画を見て着る練習をし、当日も朝早くから着付けを妻にしてもらい、当日朝8時に岩戸山のところへ行きました。今年はご存知のように猛暑が続きましたので、この日も朝8時の時点で31度を超えていました。そしていよいよ巡行ですが、前がつまっていて中々前に進みません。ようやく四条通りを出ても河原町通方面に進むのにもくじ取り式の順番待ちなどで時間がかかりました。しかしながら四条通りの真ん中を歩くことは気持ちよく、また迫力のある辻回しを間近で見られて感動しました。ようやく進むと京都市長が待つ「くじ改め」まで来ました。岩戸山の先輩「お供」の方々はそこで「ちまき」を渡されます。「ちまき」は他にもお世話にしてくださる方々に配れるので御礼代わりとなっているようです。河原町通りの手前では給水ステーションがありお茶やジュースをいただきました。このような個所は辻回しごとに約4か所設置されていました。自分は見てくれも考慮し、水分を何も持って来ず、のどが渇ききっていたので、この給水はありがたかったです。河原町通りから御池通りを烏丸に進み、そこを過ぎると、他の山や鉾が待ってくれて岩戸山は先に行きます。この2台並んでいる写真はその時のものです。新町通は細い通りなので山鉾が並走できないための待機です。そして新町通りを入って行くと地元の鉾町の方が多いので、他の鉾町の方でも、「おかえり」「おつかれさま」と声がけしてくださるので元気がでてホットします。岩戸山町に戻ってきた時は町内の方々が拍手で迎えてくれました。この日は最高気温が38度越えの日、昨年まで参加した方も「こんな暑い祇園祭はじめてや」とおっしゃっていましたが、無事にお役目を果たせることができました。草履の鼻緒部分には痛くなることを予想して絆創膏を貼っていましたが、足の裏が痛くなったのは予想外でした。来年も依頼があれば参加したいと思っております。