西念寺
【宗派】浄土真宗別格本山
【所在地】茨城県笠間市稲田562-1
稲田御坊(ごぼう)、稲田禅房ともいわれる西念寺様は国道から少し入ったところにあります。当初は行く予定ではなかったのですが、偶然出張中に通りかかったため、一旦通り過ぎた案内板を引き返して向かいました。お寺西側の土手の下の大きな駐車場に車を止めて、徒歩でお寺をめざします。ゆるやかな坂を上って行き、石畳の参道を歩いて行くと浄土真宗別格本山と書かれた石碑が、茅葺の山門とともに迎えてくれます。
本堂は1995年に再建された妻入の二重屋根で、正面に唐破風のある長野善光寺様のようなつくりです。ここは新潟上越で承元の法難に遭われた聖人が、その罪を解かれて、この地の領主稲田久郎稱重に請われて、この地に草庵を結びます。その草庵を『稲田の草庵』と呼びました。親鸞聖人はこの地で、浄土真宗の根本である、『教行信証』を執筆されたので、本堂手前の石碑『浄土真宗開闢の霊地』とあるように、浄土真宗立教開宗の聖地となっています。
本堂へ入ると、正面上には『真宗最初の門』の扁額があり、祖師側には通常掛軸がかかっている場所には御木像が安置されています。仏具は東西を取り合わせたようなものになっています。お手洗いをお借りしよう裏側に回ると、研修施設などの近代設備も整われているようです。境内に出て、本堂右側を上って行くと、親鸞聖人の御廟があります。この御廟は唐破風の門構えはよく見る形ですが、安置しているお堂が六角堂になっているのが特徴です。御廟は、厳粛な雰囲気が漂っています。また、境内には親鸞聖人七不思議のひとつと数えられる‘お葉付き銀杏’や‘御杖の杉’や見返り橋などあります。
偶然に行けたご旧跡ですが、『教行信証』を著せられた聖地でしたので、お参りしたことにすごく満足感がありました。
おすすめ情報
『建築』
親鸞聖人御廟(1925年再建)
『史跡』
お葉付銀杏 茨城県文化財
御杖の杉
見返り橋