六波羅蜜寺
【宗派】真言宗智山派
【所在地】京都府京都市東山区松原通東大路東入2丁目轆轤町
六波羅蜜寺は五条通の北、鴨川の東側の住宅街の中にあります。六波羅蜜とは『布施』『持戒』『忍辱(にんにく)』『精進』『禅定(ぜんじょう)』『智慧』を表します。もらったパンフレットによると、『布施』とは見返りを求めない施し、『持戒』とは自らを戒める心を持ち続けること、『忍辱』はいかなる辱めを受けても耐えしのぶこと、『精進』は不断の努力、『禅定』は第三者の立場で自分自身を見つめる、『智慧』は我々は本来仏様の智慧を頂戴しているという意味だそうです。座右の銘にしたい言葉ですね。六波羅蜜寺の開基は、『踊り念仏』で有名な浄土経の開祖である『空也上人』です。宝物館には上人の木像もあります。この像は首から鉦を掛け、右手には撞木、左手には杖を持ち、口からは阿弥陀如来像が6体でています。これは『南無阿弥陀仏』の六字を表しているそうです。躍動感あふれる像で、市の聖(いちのひじり)と呼ばれるようにその当時市内を回って念仏を唱えた姿が如実に感じることができます。空也上人像の他にも、平清盛像や運慶とその子湛慶の像があります。運慶は重鎮らしく落ち着いた雰囲気の像で、湛慶は、青年らしい精悍な風貌です。この人たちが、あの東大寺の金剛力士像や三十三間堂の千手観音像を作ったかと想うと尊崇の念が起こり、思わず手を合わせました。御本尊は十一面観音像。普段は非公開ですが、辰年には公開されます。それは、空也上人がいた頃、お寺の前に大きな池に龍がいて人をおどかしていたのを、空也上人が諭され改心させ、龍はお参りされる方とこのお寺を護りますと誓いをたてたということにちなんでいます。本堂では祈願や写経もされ、また西国第十番札所でもあるので、人の出入りの絶えない、生活に密着したお寺さまです。
おすすめ情報
『時期』
正月三が日 皇服茶授与
8月8~10日 萬燈会(大の字が土盃に現れます)
12月13日~31日 空也踊躍念仏(重要無形民族文化財)
『仏像』
十一面観音像(平安時代 辰年のみご開帳)国宝
空也上人立像(鎌倉時代 康勝作)重文
平清盛像(鎌倉時代)重文
運慶像・湛慶像(鎌倉時代)重文