お盆(初盆・新盆)に招く・招かれた時のご挨拶

【招いた側のご挨拶】
友人・知人に対しては、「本日は故人のために、お盆供養にお越し頂きまして、誠にありがとうございます。」
という言葉が基本となりますが、 「本日はお忙しい中、亡き●●の初盆法要にお集まり頂きまして誠に有難うございます。早いもので●●が亡くなりましてから●●月が経ちました。お世話になった皆様にこのようにお参り頂きまして、●●も大変喜んでいることと思います。」 と、このようにあまり型にとらわれることなく、お集まり頂いた方に対して率直に感謝の気持ちをお伝えすれば良いと思います。

また、法要後にお食事のご用意をしている場合は、
「ささやかながら、お食事を用意させて頂きました。時間の許す限り、どうぞごゆっくりとお過ごし下さい。本日はありがとうございました。」または「 ほんの心ばかりの粗飯を用意させて頂きました。どうぞ時間の許す限り、●●を偲びながらゆっくりお過ごし頂きたいと思います。本日はありがとうございました。」このような挨拶が無難でしょう。

【招かれた側のご挨拶】
「今日はお盆供養にお招きい頂きまして有難うございます。」となります。

金封の書き方

Q お盆の時の金封の表書きはどうしますか?

贈る側の表書きは「御佛前」[御供物]が代表的なものです。水引は黄と白が基本ですが、黒白の場合もあります。「御佛前」は四十九日以降の表書きとしては一般的ですが、地域によっては「御霊前」などの場合もあります。また、提灯を贈らない代わりに「御提灯料」とすることもあります。お返しをする場合には「志」となります。

お盆を迎えるための準備

Q お盆の迎えるためには何が必要ですか?

お盆はご先祖様や亡くなられた故人の霊がお里帰りされる訳ですから、心からお迎えする準備をしておきたいものです。
まず、13日の朝までにお家やお仏壇を綺麗に掃除しておきましょう。
それが済んだら盆棚(精霊棚)の用意します。盆棚のお飾りやお供えものは種類が多く揃えるのが大変なので事前に用意しておくと便利です。

お部屋に盆棚(精霊棚)を設置するスペースがない場合はお仏壇の前や上、引きテーブルにちょっとしたお飾りやお供えものをしても結構です。
何をお供えしたら良いのか?迷われると思いますが、各お供えものの意味合いをご理解した上で、その中から厳選されたら宜しいかと思います。

初盆・新盆に招かれた時の服装

Q 初盆の時には何を着れぱよいのでしょうか?

初盆の時には招く方も、招かれる方も喪服を着ることが基本となりますが、地味な服装であれば構いません。初盆以降も正式な法要を行う場合には地味な服装が良いでしょう。
お盆行事に限らず正式な法要か行なわれる場合には亡くなられた故人やその遺族の気持ちを察し、「謹む」という意味からも喪服または地味な服装が好ましいと思います。

お盆が四十九日前に来る場合

Q. 四十九日法要の前に初盆が来る場合は?

四十九日前にお盆の日が来る場合には、2年目のお盆を初盆とするのが一般的です。例えば、8月上句にご家族が亡くなった場合、8月15日のお盆は、四十九日法要の前に来ることになります。この場合には亡くなった翌年の8月15日が初盆となります。ただし、6月26日に亡くなった方の場合には迎え火の8月13日が四十九日法要の日となり、その年の夏を初盆とするかどうかは微妙なところとなります(7月盆の場合であれば5月26日)。

6月28日に亡くなった場合には8月15日が四十九日法要の日となります。(7月盆の場合であれば5月28日)このような場合、初盆供養を行うために四十九日法要を三十五日法要で切り上げたり、そのまま初盆とする方もいらっしゃいますが、お寺様に相談してみると良いでしょう。

亡くなったその夏に初盆を行わない場合、周囲の方々の中には初盆と思い、初盆の供養品をお持ちになられる方もいらっしゃるでしょう。その場合には、供養品は受け取った上で、来年に初盆を行うことを説明するようにします。
「この度は、お盆の供養品を頂戴し、ありがとうございました。故人も喜んでいると思います。ただ、四十九日法要の前ということもあり、正式な初盆は来年の夏に行いますので、よろしくお願い申し上げます」などとお手紙などでお礼を申し上げます。

新盆・初盆とは?

Q. 初盆(新盆)とはどのようなお盆ですか?

これもよくあるご質問です。亡くなられて四十九日法要が終わった後、つまり忌明け後に初めて迎えるお盆のことを初盆・新盆(はつぼん・にいぼん)と呼び、特別に親類や知人が集まり、お飾やお供えなども盛大に供養するのが古くからの習わしです。

初盆とそれ以降では提灯の種類にも違いが見られます。
初盆の際には清浄無垢の白で霊を迎える意味から、白木と白い火袋で作られた紋天提灯を使います。(一部、特別な提灯を使う地域もあるようです。)

この紋天提灯を縁側や軒先、精霊棚に吊るして火をともし、精霊が迷うことのないようお出迎えします。

初盆用提灯は1回限りです。昔は自宅の庭でお炊きあげ(供養のために燃やす)をして土に埋めたり、川に流したり、菩提寺に持っていき供養をしてもらいましたが、現在では火袋に少し火をつけて燃やし鎮火を確認してから新聞紙などに包んで処分することが多くなってきています。

※初盆後、お寺に納める習慣になっている地域もあるようです。

盆提灯(盆ちょうちん)はいつ飾るのか?

Q. お盆の期間~提灯はいつ飾るのか?

「お盆の季節」というと、いつからいつまでの期間だと思われますか?
まず最初にここで言うお盆とは宗教的意味合いからの「お盆行事の季節」をさします。
意外と知られていないお盆の期間についてですが、実は地域によって違うようです。東京・静岡・名古屋あたりは7/13~7/16までをお盆としますが、その他の地域(※函館・熊本を除く)では8/13~8/16までをお盆とします。

この8月に行われるお盆を「月遅れの盆」と呼びます。
7月と8月、どちらのお盆も15日を中心とし前後3日間。
盆入りが始まる13日に「迎え火」。盆が終わる16日に「送り火」を行うのが一般的とされています。

 


【お盆の小話】
さて大昔のお盆はどうだったのか? 江戸時代までは何月何日と日付でお盆が決まっていのではなく、月の満ち欠けでお盆が行われていたと言いますから驚きです。1日が新月、15日が満月という暦で「7月の満月の夜」に行われていました。 また、お盆に先立つ1日(7/1・8/1)は「地獄の釜蓋が開く日」と言われており、
この日を以てお盆の始まりとする考え方もあります。←ちょっとおっかないですね。

地方によっては7月7日の七夕さんを、お盆の初まりの日とする考え方もあります。これを七日盆、「なぬかび」と呼ぶ地域もあり、この日に仏具磨きをすることから「磨き盆」と呼ばれます。 また盆棚作りも七夕にすると良いとする考え方もあるようです。 以上、お盆の期間についてお話させて頂きました。

盆提灯(盆ちょうちん)の起源

お盆は故人を含めご先祖の霊をお迎えするための行事です。迎え火でお家に向かい入れ、送り火でお見送りします。簡単に言うとその時の火が盆提灯となるわけです。昔はサザエさんに出てくるような日本家屋が主流でしたから、お盆の季節になると玄関や縁側に盆提灯が吊り下げられ、陽が暮れると各家庭の灯りが一斉にともり、提灯の幻想的な美しさで通り過ぎる人たちの目を楽しませたものです。今ではマンション住まいが主流となり、そういった風景を見ることも少なくなりましたが、「盆提灯を飾ってお盆を迎える。」というスタイルは現在も根強く残っています。

 

Q なぜお盆をするのですか?


皆様ご存知のとおり、お盆とはご先祖様の霊を迎え入れる為の行事です。それは「亡くなった方の霊をおまつりすること」であり、ご先祖様とのつながりを改めて認識すると言うことでもあります。
さて、このお盆は一体いつ頃から行われてきたのか?
伝えによると遥か昔、606年にはすでにお盆が行われていたと言います。


ちょうど聖徳太子の時代から明治・大正・昭和、そして平成の現代に至るまで、お盆は親から子へ脈々と受け継がれてきた日本の伝統行事なのです。もともと日本には祖霊信仰があり、お盆とお正月の時季はご先祖様の魂が帰ってくるとされていました。仏教が伝来する以前からご先祖様を迎える行事はあったようです。
そう考えるといかにお盆という行事が私たちにとって大切なものだったのか?改めて気付かされます。