行徳寺(開基 赤尾の道宗)(真宗大谷派)
富山県南砺市赤尾町825
出張の空き時間を利用して、富山の行徳寺様にお参りしてきました。行徳寺様がある五箇山地域は、雪深い山々に囲まれた秘境でありながら、古くから親鸞聖人の教えが深く浸透した「真宗王国」として知られています。

そんな五箇山の歴史を語るうえで欠かせないのが、蓮如上人に深く帰依し、生涯をかけて念仏の道を歩んだ赤尾の同宗です。同宗は五箇山赤尾谷で生まれ、20代の頃に京都の山科本願寺で蓮如上人の話を聞き、感銘を受けたと伝えられています。

行徳寺様へは、東海北陸道五箇山インターを降りて数分で到着します。まず目に飛び込んでくるのが茅葺の山門です。五箇山は世界遺産である相倉合掌集落や菅沼合掌集落に近く、山門や庫裏もその風情を今に残しています。
山門横の駐車場に車を止め、正面から境内へ。本堂は銅板葺でした。堂内に入って参拝です。輪灯と金灯籠の灯、そして、ご本堂を照らす照明器具がほんのりと明るく、厳かな雰囲気が漂っていました。向かって右余間には開基である「行徳寺釋道宗」の掛け軸がかかっていました。本堂の左側には、西赤尾の開田に尽力した第17代の道宗龍明の銅像がありました。また、行徳寺様の隣には国指定重要文化財の「岩瀬家」もあります。
次に、地元のお客様に勧められた世界遺産「五箇山菅沼合掌造り集落」に向かいました。集落近くの専用駐車場に車を止め、まずは上からの撮影スポットへ。写真でよく見る景色ですが、実際に訪れると心が落ち着きます。
展望広場の案内所にあるエレベーターで降り、通路を通って集落へ向かいます。ホームページによると、現在は9戸の合掌造り家屋が残っているそうです。

先ずは、「塩硝の館」へ。ここは火薬の原料となる硝石の製造方法を紹介する施設です。五箇山地方は塩硝の一大産地でした。施設内の年表には、五箇山で生産された塩硝が一向一揆に必要な火薬の原料として供給されていたと書かれていました。次に「五箇山民俗館」へ。伝統的な暮らしを支える生活道具が展示されており、奥の部屋には仏壇も安置されていました。
時間があればイワナの握りや蕎麦を味わいたかったのですが、今回は時間が足りず、またの機会にします。富山県のキャッチコピーは「富山で休もう」ですが、まさにゆっくりと心を癒しに再訪したいですね。
