青蓮院門跡将軍塚青龍殿/天台宗
〒607-8456 京都府京都市山科区厨子奥花鳥町28
最近のマイブームは、「京都一周トレイル」という京都市内を一周するハイキングコースを歩くことです。起点は京阪伏見桃山駅で、市内の山沿いをぐるっと回り、阪急上桂駅を終点とする全長83.3㎞のコースです。

一度に全部は回れないので小刻みに回っています。この日は清水寺から八坂神社を回るコースを歩きました。途中、将軍塚(しょうぐんづか)の青蓮院大日堂(しょうれんいんだいにちどう)へ行くコースをヤマップというスマートフォンアプリで設定して出発です。
最初は意気揚々と歩いていたのですが、登り坂になると息が上がり、何度か休憩をはさみながら将軍塚の青龍殿(せいりゅうでん)まで辿り着きました。20年ぶりに将軍塚を訪ねましたが、当時とはすっかり様変わりしていました。
この青龍殿は、元は、1915(大正2)年、大正天皇即位記念として、京都北野天満宮前建立された「大日本武徳会京都支部武徳殿」です。戦後に京都府の所有となり、柔道や剣道の武道場(「平安道場」)として一般にも開放され活用されましたが、1999(平成10)年、道場を閉鎖し解体処分が決定されました。この歴史的建造物を青蓮院が移築再建し、2014(平成26)年、「青龍殿」として落慶されたそうです。
正面入口上部には「青龍殿」と彫られた扁額(へんがく)があります。この額は外側が青色、内側の中縁がエンジ色の鮮やかな彩色が施されていてとても綺麗です。

建物内は天井が高く横にも広いので開放感があります。正面の奥には御本尊で日本三不動画※の一つである青不動(あおふどう)の掛軸が掛けられています。(平素はお前立(復元模写)を安置し、お前立すぐ後ろの奥殿に国宝の青不動が奉安されています。)青龍殿裏には、清水の舞台を超える広さがある大舞台(約300坪)があります。京都を一望できる標高約200mからの景色は格別です。
また、境内には将軍塚があります。「将軍塚」の名称は、桓武天皇が都を定める際に、和気清麻呂(わけのきよまろ)を伴ってこの山に登り、眼下に広がる地を都にすると定めました。その際、都の鎮護のために、高さ2.5メートル程の将軍像を土で作り、鎧甲(よろい)を着せ、鉄の弓矢を持たせ、太刀を帯させて埋めるよう命じたことに由来します。

春には200本の桜、秋には220本の紅葉を拝観でき、夜間拝観も行われます。20年前に見た西展望台から見下ろす夜の桜は見事でした。
トレイルの下りは、知恩院(ちおんいん)の大梵鐘(だいぼんしょう)、円山公園(まるやまこうえん)、八坂神社をとおりました。ちょうど節分時期でしたので、八坂神社で舞妓さん芸妓さんたちによる豆まきに参加することができました。これからも京都一周トレイル続けて未だ知らない京都を発見したいと思います。
※日本三不動画…青蓮院の青不動、高野山の赤不動、三井寺の黄不動(曼殊院には国宝「模写黄不動」があります)