尾崎別院 (浄土真宗本願寺派)
〒599-0201 大阪府阪南市尾崎町2丁目8-19
SNSにより、おススメで出てきたのが今回ご紹介する浄土真宗本願寺派尾崎別院です。別院へは車で2時間近くかかりますが、休日に買物も兼ねて家族と行ってきました。京都からは第二京阪、近畿自動車道、阪和道路をへて泉南インターが最寄りです。大阪は大都会ですが、市外にあるこの辺りは田園風景もありほのぼのとした風景が広がっています。
別院に近づくと細い道になり、白壁が見える境内に車を止めます。この日は天気もよく、青空の下で本堂の写真を撮ることができました。
本堂両側には蘇鉄(そてつ)が植わっています。大阪・神戸のお寺の境内には蘇鉄があることが多いので、なぜかと調べてみました。蘇鉄は安土桃山時代、キリスト教の宣教師がフィリピンから取り寄せて教会に植えたり、織田信長や豊臣秀吉に献上したものだそうです。
しかし、豊臣秀吉の伴天連(ばてれん)追放令の後、徳川幕府のキリシタン禁止令により教会が壊された後、近くのお寺が引き取ったために古い蘇鉄が古寺に残っているそうです。葉っぱは仏華にも使えますね。また根元に釘を打ち込むと樹勢が回復するとも言われています。
さて、本堂に入ると本願寺派の形式をのっとって、柱はすべて金箔が押され、上部には絢爛豪華(けんらんごうか)な彩色(さいしき)が施(ほどこ)され、「尾崎別院」の扁額(へんがく)がかかっています。
向かって右の親鸞聖人は真向きの御影で、その上には「鏡板」と呼ばれる金箔の板が嵌(は)め込まれています。左余間には赤い衣をまとった尾崎別院の開基(かいき)である准如(じゅんじょ)上人の掛軸がかかっています。
本堂外に出ると、向かって左縁には納骨堂への入口がありました。また本堂向かい側のお茶所には江戸時代から伝わる茶釜があります。
坊守さんにお声掛けして、車を止めたまま歩いて二~三分の海岸まで行きました。各地の別院を訪れていますが、それぞれに艱難辛苦(かんなんしんく)を乗り越えられてきた先人たちに敬意を表さずにはおられません。