誕生寺(法然上人ご誕生の地)①
〒709-3602 岡山県久米郡久米南町里方808
広島出張の帰り津山に宿泊して次の日、法然上人ご誕生の地である誕生寺にお参りしてきました。津山駅周辺に宿泊しましたので誕生寺までは車で約30分程です。
駐車場に車を止めて山門に向かうと、日曜日ということもあり、多くの人がおられました。山門をくぐると目の前に大きな銀杏の木が迎えてくれます。この銀杏は誕生寺の七不思議の一つとなっています。その銀杏を抜けると御影(みえいどう)が見えます。このお堂は一重目に唐破風(からはふ)のある立派な二重屋根です。お堂の正面には「誕生律寺」の扁額(へんがく)が掲げられています。誕生寺は江戸時代に浄土宗の一派「浄土律」であったのでその名残としてこの名前となっているようです。
堂中に入ると法然上人が御厨子(おずし)の中に安置されています。内陣まで入ることができるので七不思議の由来となる像などを見ることができました。お堂を出て左側に阿弥陀如来座像が安置されている阿弥陀堂があります。現在は瑞應殿(ずいおうでん)と呼ばれています。境内には有料(200円)で拝観できる方丈(ほうじょう)、庭園、宝物館があります。方丈では法然上人の御絵伝を間近で見ることができ、説明文が記されているので、分かりやすく見ることが出来ました。また、親鸞聖人と聖徳太子像の掛軸(かけじく)のかかった部屋もありました。
御影堂の南側には片目川という川が流れています。名称の由来は、9歳の時に夜襲を受けた勢至丸(法然上人の幼名)が、弓で敵の明石定明(さだあきら)の右目を射ち、射られた定明がこの小川でその目を洗ったところ、それ以後、この川には片目の魚が出現するようになり、川そのものも片目川と呼ばれるようになったそうです。
奥には御両親御霊(れいびょう))という札がかかっている門があり、その奥には勢至堂というお堂があります。その左奥には法然上人産湯(うぶゆ)の井戸があります。
法然上人は、父を漆間時国(うるまときくに)公、母を秦氏君(はたうじのきみ)の元、1133年4月7日にご誕生されました。誕生寺は、元は漆間家の邸宅でしたが、法然上人に帰依し出家した熊谷直実(くまがいなおざね)(後の法力房蓮生(ほうりきぼうれんせい))が、師の命を受けて建立した寺院です。
御両親の御霊廟や誕生寺の案内パンフレットによると毎年4月の第3日曜日に法然上人のご両親ご追恩法要があるとのことで、誕生寺は法然上人はもちろん、ご両親も手厚く供養されているとの印象を受けました。
次回は誕生時七不思議の説明などをしたいと思います。