聖徳太子と法隆寺 ~奈良国立博物館~[2021/06/01発行]

2021年は聖徳太子1400年遠忌に当たり各地で法要やイベントなどが行われているのは皆さんもご存知だと思います。法隆寺をはじめ多くの聖徳太子とゆかりのある奈良では奈良国立博物館で聖徳太子と法隆寺の特別展が4月27日~6月20日まであり、またとない機会と思い観覧してきました。コロナ禍なので事前に午後2時半に予約しておりましたが、早く着いてしまったので、隣の仏像館を先に観覧してきました。

仏像館は幾度となく行っておりますが、丁度、金峯山寺の高さ5mの金剛力士像が安置されていました。これは仁王門が修復されるのに伴い金剛力士像も修復されるようですが、令和10年(2028年)まで公開されるようです。仏像館に入るとまず、金剛力士像を目にすることができますが、順路として他の仏像を見てから正面に回るようになっています。そして通路を抜けて広場の両側に大迫力で立っています。筋肉の細部まで表現されており間近で見ると筋肉の躍動感が手にとるようによく分かり圧巻です。写真オッケーでしたので阿吽像ともに撮ってきました。

さて時間が来たので本館に向かいました。10分前でしたが、すでに多くの人が並んでいました。見どころはいくつかありますが、奈良国立博物館限定の聖徳太子絵伝や玉虫厨子には多くの人が群がっていました。玉虫厨子では玉虫の羽根が残っている個所がまだ数か所あるのですが、簡単には見つからず目を皿のようにして見つけました。

まだまだ見どころは多くありますが、特にポスターにも掲載されている法隆寺金堂に安置されているアルカイックスマイルの薬師如来像がすぐ目の前で見られたり法隆寺聖霊院(しょうりょういん)の聖徳太子像は、写真では見たことはあるのですが、至近距離で拝観できたので感動いたしました。特にこの聖徳太子像はX線で撮られた写真も展示され、聖徳太子の口元に救世観音像の頭部が来るように内部に組み込まれている様子が見てとれます。あたかも聖徳太子の発する言葉が観音様の言説のように作製された昔の方の思慮深さには感銘いたしました。他にも一万円札の絵柄の原画となった聖徳太子二王子像(模本)や二才像、国宝の夢違観音像なども展示されています。博物館近くのなら町も新たなに奈良晒で有名な中川政七商店の複合施設ができて活気づいていますので、帰りには是非お寄りください。

 聖徳太子と法隆寺展は場所を東京に移して東京国立博物館で7月13日~9月5日まで開かれます。