高山別院照蓮寺(真宗大谷派) 岐阜県高山市鉄砲町6
照蓮寺(真宗大谷派) 岐阜県高山市堀端町8
高山別院の山門を出て、照蓮寺様に徒歩で向かいました。市内は近年の観光ブームで海外の方も多くみられます。街並みを散策しながら歩いて行くと、明治期に建てられた学校を2004年に復元した煥章館(かんしょうかん)、(現在は図書館)や古い町並みがあり興味深いですが、お寺に行く最後の登り坂が急なので足腰に自信のない方は車で行かれた方がいいかもしれません。照蓮寺様のあった場所は元々高山城の二の丸のあった所で近くに「高山城址」の石碑もありましたので高台にあります。そして坂を上りきると、いよいよ照蓮寺様が見えてきました。今回は正面からではなく本堂後ろの塀伝いに正面の山門に回りました。2003年の訪問時にも記憶していたのですが、塀や門、そして太鼓楼に刳り貫かれている模様がたいへんおしゃれで粋なものが多く、思わずシャッターを切っていました。その模様は菊や華頭など多彩です。
山門は閉まっていますので、その横から入ります。目の前に現れた本堂は、屋根の厚みが薄く柱も細く華奢な印象を受けました。元々この本堂は豪雪地帯の白川の地にあったことを考えると、これでよく雪の重さに耐えられたのかと思いました。2003年当時は本堂内に入ることが可能でしたが、現在は立入禁止でした。屋根を3本の鉄の柱が支えていますので、恐らく安全上のことからでしょう。
本堂内は2003年の写真を参考にお話しさせていただくと、中尊、両尊前、余間まで一列形式になっており後堂はありません。特に本尊、両尊前の間には柱がなくすっきりしています。書院造りで初期の道場形式の真宗本堂をよく物語っています。欄間はシンプルな組子の筬欄間で正面にはシンプルな木地額である光耀山の山号額がそして向かって右余間の長押の上には漆と金箔施された豪華な照蓮寺の扁額がかかっています。
なぜ、この照蓮寺様が有名なのは、室町時代の永正年間に一本の大杉から建立されたと伝えられ、真宗最古の建築といわれていることから国の重要文化財にも指定されています。昭和35年に合掌造りで有名な荘川村から移築され、その際には急勾配であった屋根が、棟札や墨書きから創建当時の緩やかで優美な勾配に復元されています。
高山市は元々幕府の天領であったことから多くの寺院や神社が残っています。それらも照蓮寺様と同じく優美なものが多いです。それに合わせて一刀彫や家具などの伝統工芸や飛騨牛などグルメも盛りだくさんです。今度は家族でゆっくり訪れたい街です。