ご旧跡めぐり/香華堂報228号[2019,12/01発行]

車の道場(上野別堂)(真宗誠照寺派)  福井県鯖江市日の出町7-1

福井方面に向かって出張で走っている時にたまたま「親鸞聖人御旧跡 車の道場」の看板を見かけたので、訪問しました。少し山手に向かい車を走らせました。坂道に車を止め、さらに山手の本堂に向かいます。乗用車数台でしたら止めるスペースがありますが、大型バスは止められないのでご注意してください。普段は無住のようですが、きれいに整備されています。本堂向かって左手に書院があります。

石碑などによると、車の道場は福井県鯖江の本山誠照寺派別院で上野別堂と呼ばれています。

調べたところによると「親鸞聖人が流罪になって越後に向かう際に浜辺を歩いていらっしゃった時に、この地の豪族の波多野氏が呼び止めて法話を聞いて深く帰依されたそうです。親鸞聖人は最初板敷に乗っていましたが、この道場を出られる時は車を付けられて出られたので車の道場と呼ばれるようになった」ということです。故にこの地は「北陸路」の真宗初転法輪(最初の説法を行うこと)の地と呼ばれています。またこの道場が発展し誠照寺派本山誠照寺の元になった場所でもあります。この時は本堂内をおまいりすることはできませんでしたが、誠照寺のホームページによると御本尊は座像で慈覚大師直作の阿弥陀如来と呼ばれ、「親鸞聖人御形見の背負いの木像」と称されているそうです。

また本堂は昭和58年に京都大学工学博士の天沼俊一氏によって設計、復興されました。総桧48本が使用され室町時代を模した寝殿造です。前庭にある古井戸を当時のままだそうです。

誠照寺では2011年5月に親鸞聖人750回忌法要が勤修され、ご法主によって灯された法灯から一般の方々の提灯に分配され、500m離れた本山の御影堂に歩かれ提灯行列をされました。安全のため昼に行われたようですが、趣があっていいですね。

本堂の形が写真で改めて見てもきれいなので、福井県の真宗四箇本山参拝には是非ともご参拝に行ってみてください。