桑名別院本統寺様(真宗大谷派)
三重県桑名市北寺町47
三重方面に出張で行きましたので、大谷派の桑名別院におまいりに行ってきました。今回は少し大きめの車で行きましたので、近くのコインパーキングに止めて歩いて行きました。この日は天気もよく屋根が青い空に映えています。別院へ通じる道は細い道で周りにはお寺が多くあり、風情があります。また、別院前の商店街には仏壇屋さんが二軒あります。
本堂向かって左側の教務所側から境内に入って行きました。まずは本堂に入りお参りしました。2016年3月27日~30日まで親鸞聖人750回御遠忌法要が行われたので、本堂内はきれいに修復されて金箔も新しくそして本堂正面上には「本統寺」の扁額が掲げられています。また本間と余間の境にある柱と外陣にある柱が半間(90cm)外側にずれているために四角い欄間がはめこまれています。
これは他の本堂では見られない形式です。興味がありましたのでホームページを見てみると、昭和25(1950)年に、本堂は京都府下の時宗寺院から譲り受け、山門・鐘楼堂・南北門は八尾別院から譲り受け、そして庫裡は岐阜県海津の豪農、菱田氏より譲り受けたと書かれていました。先ほどの柱がずれているのはこの譲り受けた影響があるのかもしれません。
さて本堂から外に出ると、大きな親鸞聖人の銅像があります。この銅像は真宗寺院にはよく見かけますが特徴的なものが、下の石の台の周りに見つけました。近づいてよく見ると親鸞聖人のご生涯を描いた青銅の板がその土台にはめ込まれています。その板の上部にはお経の言葉が描かれ、その下にはその生涯の各場面が彫り込まれています。親鸞聖人像の向かって左には法然聖人との対面、背面には常陸 板敷山にて弁然を救う場面、そして右には越後の配所の物語が描かれています。昔のもので今となっては見にくいですが、当時はよく考えてはめこまれたのだなあと思いました。
さて、こちらの別院さんには松尾芭蕉の句碑があるのでも有名です。句碑は先ほどの親鸞聖人像の左側にある池の向こう側に置いてあり、句碑を直接読むことはできませんが、池の手前に立て看板が立ててあり、それには「冬牡丹千鳥よ雪のほととぎす」とかかれています。意味は難しいのでここでは割愛しますが、松尾芭蕉と桑名別院第14代住職である大谷琢恵氏が同門の俳人だったため句会がここで催されたた折に詠まれた句のようです。帰りは本堂東門から出て商店街をぶらぶら歩きながら車に戻りました。色々な方々の想いがつまった別院さんだなあと感じました。