湖南三山(善水寺 長寿寺 常楽寺)②
天台宗 善水寺 滋賀県湖南市岩根3518
天台宗 長寿寺 滋賀県湖南市東寺5-1-11
天台宗 常楽寺 滋賀県湖南市西寺6-5-1
前回からの続きです昼食後は、2ヶ寺目の長寿寺へ向かいました。長寿寺は山号にもなっている阿星山の北麓に位置するお寺で、この後に訪問する常楽寺とは対になっていて、常楽寺を西寺というのに対し東寺と称されています。駐車場のすぐそばに山門がありその山門から本堂へまっすぐな参道が100mほど伸びており、それをおおうように木がおおい茂っています。本堂は檜皮葺きの建物で屋根の先端がすっと上に上がっている‘てりむくり’の屋根で何ともきれいな曲線ですねぇ。
本堂に入るとご住職の奥様がお話してくださいました。この方のお話がとても楽しく久しぶりに大笑いしました。後で近くのお寺様に聞いたところ、「石部の寂聴さん」と呼ばれているそうです。団体参拝で行かれる際には、是非法話をお願いされることをおすすめします。テレビでも長寿寺が放映されて奥様の法話も流れたようですが、日曜早朝の「美の京都遺産」という番組だったのであまり反響はなかったようです。(笑)
次に妻木先生のお話です。先生のお話で印象深かったのは、外の向拝柱が階段の途中であるということです。現在の本堂ではこういう形式は見ることはありません。これはまだ本堂の形式が定まっていない時代に試行されたことを表しているそうです。また本堂内部に目を移すと、内陣が外陣より低くなっている点です。これは天台宗寺院にはよく見られる傾向で内陣の須弥壇のある床は本来土間になっていてそこから独立して立っているので我々がおまいりする外陣より低い場合が多いそうです。境内には他に弁天堂や三重の塔址などが有り、各自見て回ってバスに戻りましたが、先ほどの奥様もお見送りしていただき、また秋の紅葉に来てくださいねとおっしゃっていました。
次に最後の訪問地、常楽寺へ向かいました。常楽寺は5分程で着きました。まず目に飛び込んできたのは本堂とその向こうに見える三重の塔です。本堂はたいへん大きく堂々としています。入母屋造りの檜皮葺きですが、こちらも趣があって心が和らぎます。先生によると本堂外側の高欄の擬宝珠は木製でたいへん形がいいと解説されていました。次に三重の塔へ向かいました。三重の塔は本堂の西南側に本堂背後の山の斜面を削平した一段高いところにあります。ここから見る本堂も屋根の曲線が見渡せていいです。長寿寺の奥様もおっしゃっていたようにまた秋に訪れたいですね。