姫路城2/香華堂報198号[2017,07/01発行]

姫路城2

 兵庫県姫路市本町68

前回の心柱をじっくり見終えた後は天守閣の最上階に向います。最上階の部屋は小さいので、大混雑でゆっくり外を見渡すこともままならない状況です。しかしながら少し耳にした知識を確認するため、外の瓦を見ました。それは瓦にも漆喰が塗られているのですが、塗られている両端の裾野に当たる部分がほんの少し平らになっているということです。これは水漏れ防止でこのようになっているということをテレビで見たのです。手間のかかる仕事ですが、日本人らしい几帳面さを表しているなあと感心しました。

最上階には神社があります。これは長壁神社といい姫路城が建てられる前から姫山に祀られていた神社で歴代の城主に重んじられてきたようです。姫路城の回りには高い建物がないので眺望は最高です。

天守を降りて外に出ると「播州皿屋敷」で有名なお菊さんの井戸がありました。皆さん中をのぞいていましたが、こんな明るいところにあると怖さもないですね。

そしてその横にはリの一櫓とリの二櫓の修復工事を見学できるスペースがあり、野地板と瓦が積まれた様子を見学できます。当日は休日だったので作業はされていませんでしたが、平日なら見られるかもしれません。そしていよいよ天守閣の鯱の展示スペースに向います。展示スペースには明治・昭和・平成の鯱が並んでいて見くらべることができます。

見くらべるとやはり明治のものが緻密にできています。鱗1枚1枚が半円できれいに描かれているのですが、昭和と平成のものは逆U字型になっていて、仕事も少し雑な感じがします。また鰭(ひれ)が上下二ヶ所ついているのですが、

明治のものは小さ目で鰭のカーブがきれいです。仏具もそうなのですが、明治時代は意匠が細かいものが多いですね。あまり昔のいいところばかりをいうと、現在の職人さんに叱られそうなので、昭和時代・平成時代のいいところを上げますと、明治時代に見られる無数の小さな穴が見られません。これは瓦の製法技術が発達したのではないかと推測できます。穴がないとスッキリしたデザインになりますね。この他に扇の石積みなど、見どころはまだまだある姫路城です。桜の時期も桜のピンク色と城の白色の調和が非常に美しいです。

昼からは書写山圓教寺に向いました。ラストサムライの撮影場所となったところでこちらも見応えがあり、「凛」とした空気感を感じられるとても素敵なお寺です。城めぐり、お寺めぐりまだまだ続きそうです。