浄土真宗ご旧跡めぐり/香華堂報207号[2017,04/01発行]

亀山御坊本徳寺 浄土真宗本願寺派・・・兵庫県姫路市亀山324

正月休み利用して姫路にある御坊さん2ヶ寺、亀山御坊本徳寺様と船場別院本徳寺様に行ってきました。この2ヶ寺は蓮如上人の弟子で御堂衆であった空善が開基である英賀(あが)という地名にあった本徳寺が前身となります。江戸時代初期に亀山に移り本徳寺から大谷派が分立し船場に移りました。

まずは亀山本徳寺様のお話をしたいと思います。京都から約1時間半、姫路駅に降り立ちました。北側に出ると駅から白鷺城と呼ばれる白く美しい姫路城が正面に見えます。そこから西の方に進むと山陽電車の山陽姫路駅から2駅目の亀山で降りてすぐのところに本徳寺様はあります。塀に沿って歩いて行くと入口に向います。門前の道は石畳で整備されています。まずは立派な大門をくぐり境内に入ります。本堂は大門入ってやや左手にあります。この本堂は元々京都の西本願寺の阿弥陀堂の北側に並んで建っていた北集会所(きたしゅうえしょ)と呼ばれた建物で明治6年(1873年)3月に移築されたものだそうです。ゆえに明治維新はこの前ですからこの本堂が新撰組の屯所になっていたそうです。実際その刀痕が本堂右外側の柱にありましたが、触ってみることもできるのでいささかその時代を回想して興奮してしまいました。平成16年(2004年)6月9日10日にはここでNHK大河ドラマ「新撰組」の撮影が行われたそうで撮影風景のポスターも貼ってあり、山本耕史さんや藤原竜也さんの姿も見受けられました。本堂自体は浄土真宗の本堂には珍しい妻入りで奥行の長い建物です。お正月なので白幕が張ってありました。堂内に入ると、きれいに修復された直後のようでしたが、照明が少し暗めでしたので、荘厳な雰囲気でした。境内に出ると、堂内にはいろいろな建物があります。まず、本堂向かって左には蓮如上人の御木像が安置した中宗堂があります。

堂内に入ると正面のみ蓮如上人の木像が御厨子に安置されていました。また境内には兵庫県指定文化財である八角輪蔵を持つ経堂があり本山の経蔵と非常に似た造りとなっています。反対側には書院大広間などがありますが、特に大広間上段の間を見上げると素晴らしい花の丸の絵が描かれておりました。

今回お寺を回るのに手書きで書かれた案内地図を参考に回りました。印刷されたものが主流ですが、こうした手書きのものは心がこもっていて大変親しみがもてました。次回は船場別院をご紹介したいと思います。