山口~大分 国宝建築見学会
瑠璃光寺五重塔 国宝 曹洞宗・・・山口県山口市香山町7-1
功山寺仏殿 国宝 曹洞宗・・・山口県下関市長府川端1丁目
住吉神社本殿 国宝・・・山口県下関市一の宮住吉1丁目11-1
今年も妻木先生を先導役にした妻木会一泊の国宝見学会に行ってきました。新幹線で京都駅を出て約2時間、新山口駅は晴天でした。30名程の参加者でバス一台に乗り瑠璃光寺まで約30分で到着しました。到着した駐車場からも瑠璃光寺五重塔が見え、お天気もよく青空に塔が映えていました。この塔は日本の三名塔の一つとしても有名です。他の二つは法隆寺五重塔と醍醐寺五重塔です、個人的には室生寺五重塔が小さくて女性らしく好みなのですが、この塔も軒の出が比較的大きく、軒反りが軽快で、屋根勾配はきわめてゆるく、しかも三重以上に縁も高欄もなく、塔身が細くしまって見えるために格好良く見えます。池が手前にあるというロケーションもいいですね。この塔は大正四~五年に解体・修理されて出てきた墨書に建立年代が嘉吉2年(1442年)頃であることが分かりました。屋根は檜皮葺きで下から2重目のみ高欄付きの回り縁がついています。
そして次に向かったのは少し山口市から離れた下関市の功山寺仏殿です。功山寺には大型バスが入って行けないので、10分くらい離れたところにバスを止めて、壇具川という小川沿いに歩いていきます。初めて訪れる町を散歩するのも色々な家やお店を眺められていいですね。
そしていよいよ石段を上り門を二つくぐった奥の正面に仏殿があります。この屋根は檜皮葺きで二重屋根に見えますが、正確には一重屋根で、下屋根は裳階という構造材で、柱から出ている軒になります。こちらも屋根の反りが素晴らしく鎌倉時代後期に落成されたとされています。またこの仏殿は禅宗様の規範とされております。同じ時期に建てられた禅宗様の建築物は和歌山県の善福院釈迦堂も国宝ですが、この功山寺仏殿はそれよりも禅宗様の特徴である繊細さが際立った建物であるといえます。
次に向かったのは一日目最後の見学地、同じ下関市の住吉神社本殿です。この住吉神社は長門の国の一宮といわれ、大阪の住吉大社、福岡の住吉神社と並んで、古来朝廷より手厚く祭祀を受けたそうです。手前にある拝殿に隠れて本殿全貌を見ることはできませんが、5つの千鳥破風付き一間社を合の間とともに一列に連ねた九間社流造が特徴的です。この後は関門海峡を渡り、大分に向かいました、二日目は次回にご紹介します。