特別編集 高野山 大圓院【宿坊】への旅 /香華堂報163号[2014,08/01発行]

【第3回 大圓院・奥の院・金剛峰寺】

高野山の朝は本堂でのお勤めから始まりました。本堂を天井から吊るしてある灯籠のやさしいオレンジ色の光が包んでいます。読経は住職が導師、それに2人の若い僧侶が脇手前に着座していらっしゃいました。それから昨日の夕食会場と同じ場所で朝食です。昨日と同じように精進料理です。それから荷物をまとめて出発です。最初はバスで奥の院入り口、一の橋にある「あゝ同期の桜の塔」に向います。大圓院様は海軍第十四期会の菩提所として毎年9月12日、13日の2日間に慰霊祭を行っているそうです。また俳優 鶴田浩二主演の映画「あゝ同期の桜」などで大きな反響を呼びました。それからまたバスに乗り込み中の橋まで向います。中の橋の駐車場からは徒歩で奥の院を目指します。両側には各企業の慰霊塔や武将のお墓などが並んでいます。企業のお墓はそれぞれのキャラクターをモチーフにしたものもあり、さながらお墓の博覧会です。しかしながら、気持ちが引き締まるお墓がありました。阪神・淡路大震災物故者慰霊碑と東日本大震災慰霊碑です。同行した皆さんもその前で立ち止まり次々と手を合わせていらっしゃいました。さらに奥に進むといよいよ奥の院の霊域に入るための御廟橋(ごびょうのばし)まできました。ここから先は撮影禁止区域です。いよいよ向おうとしましたが、案内の人から右端の水向地蔵さんで手を洗ってからといわれ、丁寧に自分の不浄を洗い落とすかのように洗いました。橋を渡る際には身が引き締まる思いでした。奥の院のお堂は灯籠堂と呼ばれ鉄筋造りです。まず階段を上りお堂の中に入りおまいりします。それから左からぐるっと本堂裏手に弘法大師御廟があり、そこでもおまいりします。ここでは四国八十八ヶ所めぐりのすべてをおまいりされた方が結願のお礼参りされる場所としても有名です。この時も多くの行者姿をしたお遍路さんがお経を上げられていました。それからまたお堂右手からいよいよ、弘法大師が即身成仏されたとされる地下にもぐっていきます。同行の方々もそれをお分かりになったようで、皆さん口数も少なく入っていきました。地下は天井も低く灯籠の多さに圧倒されます。いおいよ、成仏された手前で、数人づつお焼香していきます、ガラスに上人の絵が線書きされた、いわゆる親鸞聖人の鏡の御影のような向うに安置されているようです。ここでは生きながら仏されたという考えから毎日お仏飯が供えられているそうです。それから灯籠堂をでて、バスのところに戻りました。字数が足りなくなったので、次回いよいよ高野山真言宗 金剛峰寺をおまいりしたお話をさせていただきます。