特別企画 親鸞聖人750回遠忌法要参拝日記<真宗大谷派編>/香華堂報137号[2012,06/01発行]

真宗本廟(東本願寺)(京都市下京区烏丸通七条上る)

2011年は親鸞聖人750回遠忌法要が各本山で勤められています。今回東本願寺第三期の結願日中(5月28日)におまいりした私も京都の本山の参拝した感想をお伝えしたいと思います。

さて、この日は晨朝少し過ぎた法話の最中に御影堂に入堂いたしました。今回は団体の椅子席ばかりで、一般の椅子席はないだろうと思っていましたら、両端に黄色いカバーがしてあるパイプ椅子がありました。近隣の方や、急にお参りを思い立った方などにはいいかもしれません。

9時から真宗宗歌、ご門首の挨拶、内局代表の挨拶が続き、その次は大谷派の宗門校である同朋大学の学生さんがお話されました。その学生さんは2月にお父様を亡くされ、念仏に生きたお父様を見習い、自分もそれを見習って生きようされるお話は若々しく好感が持てました。     

次に元同朋大学学長の池田勇諦先生でした。池田先生の法話は幾度となくお聞きしたことがありましたが、その時はくだけた面白い先生という印象でしたが、今回は親鸞聖人750回忌法要のトリをつとめる大事な法話、さすがというお話でした。まずは高僧和讃を上げられそれから法話に入られます。お西ではご文章を読んで、法話に入られることがありますが、お東では珍しいですね。今後の法話の定番になるかもしれません。印象に残った言葉は『障り多きに徳多し』という言葉でした。高僧和讃を引用しての法話でした。

 それからは喚鐘の鐘が鳴り響き、いよいよ勤行のはじまりです。堂衆さん、准堂衆さんそして、内陣の各役職の方そしてご門首が入られます。東本願寺で有名な身体を揺らす坂東曲(ばんどうぶし)を聞くのは7年前の報恩講以来でしたが、やはり、生で感じる坂東曲は迫力があります。帰ってからも、あの大きな声で称えられる声が耳に付いています。最後までおまいりしたかったのですが、私は仕事があったので、途中で退席しました。帰りに、今回話題となったスラムダンクの著者『井上雄彦氏』の親鸞聖人の屏風を拝観しようと思いましたが、今日は見れず、ポストカードで我慢しました、親鸞聖人のお顔は第一印象はあまり似ていないかなと思いましたが、軸装された親鸞聖人と比べると、若き日のお顔と思えば違和感はないかなと思いました。

 今日は少し雨模様で、外を行列して歩く庭儀もなく今回の御遠忌を象徴していましたが、池田先生の仰るように『障り多きに徳多し』これから転じていくよう意義深い法要になったと思います。