新年あけまして、おめでとうございます。平素は当店をご愛顧いただき誠にありがとうございます。今年2011年(平成23年)はいよいよ、親鸞聖人750回大遠忌法要が真宗各本山で行われます。50年前の昭和36年の700回大遠忌の時は、当家もその当時の屋号 成影仏具店から福井屋仏具店を継承し、そのお店(七条烏丸角【現ローソン】)を任されていたのが、嫁いだばかりの母でした。母に聞くと、大遠忌期間中は多くのお客様がおみえになり、連日大賑わいだったそうです。当時はまだ着物をお召しになられている方が多く、大事な財布も着物の帯に巻かれている方もいらっしゃったそうです。『奥の座敷を貸して』とおっしゃる方がいて、そこで帯を解いて財布をとりだし、お支払いされる方もいたようです。また今ほど京都に来られる機会もなかったのでしょうか、お土産に数珠や打敷を大量に買われる方が多く、一斗缶にお金があふれたそうです。今では考えられない光景ですね。
今年は西本願寺さんが4月から東本願寺さんが3月からそして仏光寺さんが5月から法要がはじまります。法要はもちろんのこと、いろいろな行事が行われますが、私が興味をもっているのは法要中の阿弥陀堂、御影堂の荘厳、そして、あでやかな七条をつけてお練りされる庭儀などで、見所は満載です。そして私事ですが息子も現在大谷保育園に通っているので、4月28日の稚児行列に参加しますので、その晴れ姿も楽しみです。
この機会を逃したら、50年後、自分が生きているとは思えませんので目に焼き付けたいと思っています。
また大谷大学を卒業して、早20年。年々、法話に触れる機会も少なくなってきましたが、今一度、法要を通して、親鸞聖人の教えを再認識したいと思っています。
仏壇業界ですが、年々仏壇をもたない方が増える傾向が続いています。それゆえ、同業者と話しをすると、仏壇の引取りのみが多くなったという話しをよく耳にします。仏壇を家に置くという習慣がすたれてきているのではとすごく危機感を感じます。当社は毎年、売上は横ばいですが、京都の大手仏具店では、5年前の半分近くまで売上が減少したというお店もございます。若者の車離れ、酒離れとはよくいいますが、宗教離れや仏壇離れはそれ以上に加速しているように思えてなりません。西本願寺の企画で親鸞聖人へのメッセージというのがありますが、こちらからお手紙を差し上げるだけではなく、今聖人がいらっしゃったらどんなお言葉を返されるでしょうか。この大遠忌を機にまた今一度浄土真宗がまた興隆することを願ってやみません。