私のお寺めぐり/香華堂報98号[2009,03/01発行]

法界寺

【宗派】真言宗醍醐派
【所在地】京都市伏見区日野西大道町19

日野誕生院の手前、親鸞聖人がお生まれになり阿弥陀堂の阿弥陀様をお参りされていた法界寺も浄土真宗のご旧跡には外せず、感慨深いものがあります。私が訪ねた時は、職方や同業者10人程で平等院を先に行きそれから向かいました。法界寺の阿弥陀様は平等院と同じ丈六の大仏様です。平等院に比べるとお堂も仏像も質素な雰囲気がしますが、落ち着いておまいりできるので、ここの雰囲気も好きです。四隅の柱には彩色の跡や漆がめくれた跡が残っており、職方さんはライトを照らして興味津々で見入っていました。また、周りの壁面にも天人や飛天の彩色が残っており、ライトや双眼鏡を使えばより一層細かく見ることができます。私たちが訪問した時は住職直々に案内してくださって、お寺の由来などを説明してくださいましたが、職人の若い子たちが漆についてあれやこれやと話していると、逆に興味を示され、私たちに説明を求められることもあり、和やかな雰囲気になりました。 この阿弥陀堂は国宝です。宝形造りで二重屋根に見えますが、下屋根は裳階(もこし)と呼ばれる軒がついた形になっています。本堂である薬師堂の本尊薬師如来は『乳薬師』(ちちやくし)や『日野薬師』と呼ばれ健康な赤ちゃんが育つ母乳を授かるお寺として有名です。本堂には願掛けに『よだれかけ』が多数吊ってあります。また、1月14日には豊作や一年の無事を祈願し男衆が『頂礼(ちょうらい)』『頂礼』と声を上げながら裸をぶつけ合う『裸まつり』が行われ、粕汁が振舞われます。

おすすめ情報

『時期』
1月14日 裸まつり

『建築』
阿弥陀堂 鎌倉時代 国宝
薬師堂 室町時代 重要文化財

『仏像』
阿弥陀如来像 平安時代 国宝