私のお寺めぐり/香華堂報82号[2006,11/01発行]

南禅寺

【宗派】臨済宗南禅寺派                   

【所在地】京都市左京区南禅寺福地町

京都の紅葉の名所の中でもとりわけ有名なお寺がこの南禅寺です。私は西からみる三門が非常に好きです。数ある門の中でも一番のお気に入りです。それは、屋根と柱のバランス、金具や彩色のない木のよさを活かした素朴な感じが逆に門自体に力強さがあるように感じられます。また、歌舞伎『楼門(さんもん)五山(ごさん)桐(ぎり)』で石川五右衛門が「絶景かな、絶景かな、春の眺めは値千金とはちいせえ、ちいせえ」というくだりがあります。紅葉のシーズンには拝観料を払って登ったことがありますが、眼下に紅葉が広がり壮大です、山門を進むと正面に法堂(はっとう)があり、天井には今尾景年作の幡(ばん)竜(りゅう)が描かれています。法堂(はっとう)の右手を奥に進むと、本坊があり、そこが、枯山水がある方丈に続く拝観入り口になります。臨済宗の京都五山のお寺には必ず枯山水がありますが、ここはその中でも非常に気持ちが落ち着きます。小方丈前面の虎の絵の襖が40枚あり、『虎の間』と呼ばれています。南禅寺はテレビや映画のセットとして使われるのが、三門と境内を流れる疎水です。アーチ状の水路閣になっていて1890年に竣工されました。アーチ状の右側を抜けると、南禅寺は発祥のお寺とされる南禅院があります。そして、南禅院の右手に鐘楼堂、そして、疎水の上に出て行くと、インクラインに続く散歩コースが続きます。ここを歩くとすがすがしい気持ちにさせてくれます。

 南禅寺はその名の通り禅宗のお寺様なので、座禅の体験もできます。また、年末には予約制ですが、除夜の鐘を打つこともできます。紅葉のシーズンは多くの人が訪れますが、何度訪れても、三門や水路閣の素晴らしさに飽きることがないお寺様です。

 おすすめ情報 『時期』  紅葉(11月中旬~11月下旬) 除夜の鐘(大晦日【12月1日から予約受付】)

 

『建築』

   三門(江戸時代)重要文化財

  勅使門(江戸時代)重要文化財

 

『座禅』 

座禅・・・南禅院(毎月第二・第四日曜)4月~10月(朝6時)11月~3月(朝6時半)