コラム・仏具の話/香華堂報51号[2004,04/01発行]

コラム

 ようやく暖かい季節となってきました。歳とともに寒さが身にしみるようになってきましたので、ホント春は待ち遠しいです。桜の便りも聞こえるようになってきて、お出かけするにはいい時候です。しかしながら、私にとっては憂鬱な季節でもあります。それは、花粉症です。花粉症歴はもう15年くらいになります。

今までお医者さんで注射してもらったり、なた豆という豆を食べたりいろいろ試行錯誤してきました。中には、数年効く治療法もあったのですが、なかなか“特効薬”というものがありません。去年から取り入れているのは、橋幸夫さんがテレビで勧めていた、入浴時にタワシで身体を洗うことです。初めは痛かったので、手足の比較的皮膚が厚いところからはじめました。そして、慣れてくると徐々に、おなかや胸などに広げていきました。背中はタワシに紐を付けてこすります。だんだん慣れてくると意外と気持ちいいです。鼻もスッーとしてきて、身体もポカポカ、夜もよく眠れます。ただ、皮膚の弱い方は避けたほうがいいかもしれませんね。

これもある番組で見たのですが、お肌をきれいにするには、洗面器に氷水を入れ、そこにタオルを浸し、しぼって顔にあてるといいそうです。朝晩302回するといいそうです。ただし、直接氷水に顔をつけたり、氷を顔の上で滑らすようなことは凍傷などの原因となりますので、やめられたほうがいいみたいです。奥様方にはいいかもしれませんね。

今回は健康法のご紹介ですが、これを踏まえて思ったのはなにごとも鍛えれば、鍛えるほど強くなるのですね。今の自分に照らすと、すぐに“なまけ心”がでてきます。タワシで身体を磨くように、心も常にタワシで磨き鍛えたいものです。

 

  

仏具の話

菱灯籠 

 今回は外陣に吊るす菱灯籠についてです。写真1は浄土真宗に限らず各派で用いられます。写真2は大谷派で用いられる大門型です。菱灯籠は六角型をしていて、材質は銅地に金メッキか金箔押しです。外陣中央に吊るし、彫文字ではなく、透かして文字を抜くので、寄進者の方のお名前もよく見えます。そして、菱灯籠は吊るし方に注意してください。お檀家様の頭の上に吊るしますし、重さも20キロから30キロ、大門型になるとそれ以上になります。4尺以上の大きなものになると、取り付け方法も天井自体で持たす下からのネジ込み元吊金具だけでなく、天井裏でその金具を別の材木に針金などで持たせた方がいいでしょう。また、屋外の縁の上や山門に吊るす場合は特に注意が必要です。なぜなら、風でくるくる回り金具がゆるむ恐れがあるからです。吊金具以外に振り止めの針金を左右に付けなければなりません。よく障子に対して菱灯籠の辺を平行にするか、鋭角にするかのご質問を聞かれますが、特にきまりはありません。ただ、本堂に入って来られたときに、寄進者のお名前や日付などがすぐに見られるよう平行になさる場合が多いです。