コラム
41号にもお知らせしたように、この度川越少年刑務所のお内仏をご修復し、納入させていただきました。初めて刑務所に足を踏み入れたときは、非常に緊張いたしました。やはり、独特な雰囲気があり、廊下では軍隊のように掛け声とともに歩かれています。お仕事をすることとなり、仏具をお預かりしご修復を進めて行く上で、ある教誨師の方から、“被収容者の中には一般の我々よりもご本尊の前で真剣な気持ちでおまいりをしているものがいる”というお話を聞いて、私もそれに応えるようなお仕事をしなければと思いました。ご修復を終え納入し、入仏慶讃法要が行われました。刑務所長様から「このきれいになったお内仏をおまいりし、被収容者がひとりでも多く更正することを願っています」とのお言葉をいただき、私も仕事のやりがいをひしひしと感受いたしました。また、本山の田中部長、吉田前教誨師の先生からは当店にねぎらいの言葉をいただき、心から感謝いたしております。この仕事を通じて感じたことは、刑務所という公(おおやけ)の場所では他の宗教の方々も教誨をされています。各地の刑務所では浄土真宗のお内仏が撤去されているという話も耳にします。そのような状況で今回ご修復を決断された教誨師の先生方のご苦労は大変だったと思います。ご存知のように教誨師の先生方はボランティアで教誨のお仕事を活動されています。浄土真宗の教えを伝えていくという強い気持ちがなければ、今回のご修復は成しえなかったでしょう。明治時代、つまり100年以上も前に本願寺派本山から寄付されたお内仏、そしてそれを守ってこられた先達と現教誨師のお心を忘れず今後も私も仕事を通して継承していきたいと強く思いました。
寺院仏具
礼盤一式(大谷派)
大谷派の礼盤の大きな特徴は前机と脇机の天板が金箔押しであることです。普段は、前机には巻経をおき、脇机には極彩色した持蓮華を置きます。登高座をするときには、前机にはお経箱、脇机には柄香炉を用います。磬台は本願寺派に比べ、彫刻もなくシンプルな作りになっています。
大谷派も御影堂型と阿弥陀堂型の二種類あります。前回、阿弥陀堂と名の付く仏具のほうが豪華なものが多いとお話しましたが、この礼盤一式に関しては御影堂型の方が、豪華です。これは御影堂で登高座をする儀式が多く行われたためではないかと思われます。
礼盤一式はご存知のように、法要時のみにしか用いません。そのため、購入時などに専用のダンボール箱を用意して欲しいとのご要望をよくお聞きします。今、手元にお持ちの場合でも礼盤一式の各寸法を知らせていただくと、その寸法に見合った箱を製作いたします。 法要時などの晴れ舞台での登高座、大切に長く使いたいですね。
礼盤一式(大谷派)
大谷派の礼盤の大きな特徴は前机と脇机の天板が金箔押しであることです。また、前机には浄土三部経を経箱の入れて置きます。このお経は荘経(かざりきょう)といい何も書かれていません。たまに、お経がかかれていると思い、紐解かれる場合がありますが、元通りにならないので注意して下さい。脇机は柄香炉を置き塗香器は用いません。登高座するときには柄香炉を用いますが、それ以外は極彩色した持蓮華という荘り用の柄香炉を置きます。磬台は本願寺派に比べ、彫刻もなくシンプルな作りになっています。
大谷派も御影堂型と阿弥陀堂型の二種類あります。前回、阿弥陀堂と名の付く仏具のほうが豪華なものが多いとお話しましたが、この礼盤一式に関しては御影堂型の方が、豪華です。これは御影堂で登高座をする儀式が多く行われたためではないかと思われます。
礼盤一式はご存知のように、法要時のみにしか用いません。そのため、購入時などに専用のダンボール箱を用意して欲しいとのご要望をよくお聞きします。今、手元にお持ちの場合でも礼盤一式の各寸法を知らせていただくと、その寸法に見合った箱を製作いたします。 法要時などの晴れ舞台での登高座、大切に長く使われたいですよね。