Q 切子灯龍とは何ですか?
浄土真宗では切子灯籠を用います。
またお西(本願寺派)・お東(大谷派)専用の切子灯籠もあります。
切子灯籠は向かえ火としての門提灯の役割を果たすものが多く、九州では大分県中津の切子灯籠が有名です。また近畿・四国地方の一部などでは豪華な切子灯籠を初盆に飾るという習慣があります。
このように切子灯籠は全国各地でその地域特有の特色・仕様があります。
盆提灯の習慣が広がったのは江戸時代、切子灯籠は盆提灯の代表的なもので、軒先に吊された切子灯籠を描いた資料を多く見ることができます。歌川国貞(1786~1865)の浮世絵「五節句のうち文月」には、切子灯籠の下で盆踊りを楽しむ女性の姿を描いたものがあり、十九世紀初頭の『阿波国風俗問答』では「夜分は軒にきりこ灯籠を灯し申し候」という一文があります。
切子灯龍は角を落とした多面体の火袋を特徴としますが、この多面体は「籠目」であり籠日には悪霊を払う力があるとされています。また、切子灯籠の隅に付けられる垂流は、無縁の精霊の魔を除ける力があるとも言われています。初盆用の灯籠として用いられる場合は新霊(荒魂)に対しての灯籠ということになります。