お盆の風習は宗教や地域によって様々です。
地域に根付いた初盆を行いたい場合は菩提寺(故人のお墓があるお寺)にたずねてみるのが確実でしょう。
そこで、お寺とお盆との関わりについて少し触れたいと思います。
棚経というのをご存知でしょうか?
お盆の時に 盆棚(精霊棚) の前でお経を読んで頂くことを棚経と言います。お盆はどこのお寺も忙しいのでご希望される方は早めにご予約されることをおススメします。その際にはお経の内容やお盆についてのお話など、私個人の意見ですが大変興味深いので一度お尋ねになってみてはいかがでしょうか?
お布施の表書き・金額について
さて、読経が終わった後のお礼。お布施ですが、ご住職に渡すお礼の表書きは「御布施」と書きます。
遠くから来られる場合は「お車代」も別途付けます。お坊さんには直接手渡しするのではなく、お盆に置いてお渡しする方がより丁寧です。 料金設定については宗派はもちろん、地域のお寺によっても違いが見られます。お寺からお経を上げに伺うとの連絡が入るケースもございます。お布施の金額でもし悩まれるようでしたら、ざっくばらんにお寺にご相談されるのが宜しいかと思います。決して失礼には当たらないはずです。
月: 2020年4月
お盆(初盆・新盆)に招く・招かれた時のご挨拶
【招いた側のご挨拶】
友人・知人に対しては、「本日は故人のために、お盆供養にお越し頂きまして、誠にありがとうございます。」
という言葉が基本となりますが、 「本日はお忙しい中、亡き●●の初盆法要にお集まり頂きまして誠に有難うございます。早いもので●●が亡くなりましてから●●月が経ちました。お世話になった皆様にこのようにお参り頂きまして、●●も大変喜んでいることと思います。」 と、このようにあまり型にとらわれることなく、お集まり頂いた方に対して率直に感謝の気持ちをお伝えすれば良いと思います。
また、法要後にお食事のご用意をしている場合は、
「ささやかながら、お食事を用意させて頂きました。時間の許す限り、どうぞごゆっくりとお過ごし下さい。本日はありがとうございました。」または「 ほんの心ばかりの粗飯を用意させて頂きました。どうぞ時間の許す限り、●●を偲びながらゆっくりお過ごし頂きたいと思います。本日はありがとうございました。」このような挨拶が無難でしょう。
【招かれた側のご挨拶】
「今日はお盆供養にお招きい頂きまして有難うございます。」となります。
お盆のお供え・蓮(ハス)の葉編
Q 蓮の葉の上に水を供えることがあるそうですが?
蓮の葉の水は「閼伽(あか)」と呼びます。仏教では供養のためのお水のことを特に閼伽と呼び、穢れを払う水とされます。
お盆のお供え・ミソハギ編
Q みそはぎとは何ですか?
地域によっては「みそはぎ」と呼ばれる花を盆棚に飾ることがありますが、このみそはぎは茎の先にたくさんの淡い赤紫の花をつけます。「みそはぎ」は元々「禊萩」とよばれていたようで、禊(みそぎ)という言葉からもわかるように、浄めのために使われるものです。みそはぎを水に浸したものを玄関で振って祖霊を迎える準備とする地域もあります。
お盆のお供え・盆花編
Q 盆花とはどのような花ですか?
盆棚・精霊棚に飾る花のことを特に盆花と呼ぶことがあります。盆花には生花と造花とがあり、ご先祖様がそこに宿るとも言われます。生花では桔梗・撫子・山百合・萩・鬼灯・女郎花など秋きの花が主なものとなります。
お盆のお供え・団子編
Q 迎え団子、送り団子について教えて下さい。
迎え団子、送り団子は盆棚のお供えで、ご先祖様をお迎えする時やお見送りする時のご先祖様の食事となります。
お盆のお供え・ハシゴ編
Q 盆棚に苧殼のハシゴを使うのは何故ですか?
芋殼とは麻の茎の皮を剥ぎ取ったもので、迎え火や送り火の焚き物としても用いられますが、この芋殻で作られた梯子を盆棚に置く地域があります。
この梯子の意味ははっきりと分かりませんが、精霊棚にご先祖様が上る道具であるとも、この世とあの世とを結ぶ道具であるとも言われています。また、精霊棚と仏壇とを結ぶ階段とする場合もあるようです。
お盆のお供え・水の子編
Q 水の子とは何ですか?
ナスやキュウリ、カボチャなどを賽の目に切り水鉢や蓮の葉や里芋の葉の上に供えたものを水の子と呼びます。地域によってはこれに洗米を加えます。この水の子はアライアゲ、アラゲ、ミズムケなどと呼ぶ地域もあります。水に浸すのは「ご先祖様ののどが渇かないように」と考える地域もあるようです。
水の子の「水]は浄化する力があります。亡くなられた方に供える水のことは「水向け]と言われるように、様々な精霊を浄化し供養する役割が「水の子」にはあります。
お盆のお供え・そうめん編
Q、盆棚に素麺を供えますが、何故ですか?
素麺を供物とする由縁に七夕があります。七夕に素麺が供えられていたことが、盆棚の素麺に引き継がれていると考えられます。
牽牛(夏彦星)と織女(織姫星)の伝説で知られる七夕は元々お盆行事と関係の深いもので、笹は先祖の霊が宿るところともされています。
七夕は針仕事の上達を願うお祭りでもありますが、素麺は糸に見立てられ、針仕事上達の供物とされて来ました。その習慣が先祖を招く盆棚にも取り入れられたという説もあります。
また、素麺を食べると熱病にかからないという言い伝えがあり、平安時代、宮中の七夕行事(乞巧奠)では熱病除けとして素麺が供物として用いられていました。
盆棚に素麺などのお盆の供物を供える時には、蓮の葉を盆として用いることがありますが、これは「お盆」の語源の一つであると考えられています。
お盆のお供え・鬼灯(ほおづき)編
Q、ほおづきを飾るのは何故ですか?
盆棚やお仏壇の前にほおづき(酸漿)を下げる地域があります。ほおづきは「鬼灯」とも書かれ死者の提灯であるとも言われています。
東京・浅草寺では7月9日・10日の両日行われる「ほおづき市」が有名です。